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動物愛護管理法の改正点は?改正内容や飼い主が知るべきことを解説

2022/01/03

私たちの身近なペットをはじめ、動物に関わる「動物愛護管理法」。その一部が改正され2019年6月、改正動物愛護管理法が公布されました。同法は、2022年までに施行されることが義務付けられています。本記事では、改正動物愛護管理法の概要や飼い主が知るべき点などについて解説します。ペットを飼っている人はぜひ参考にしてください。

動物愛護管理法とは

動物愛護管理法とは、動物は命あるものであることを認識したうえで動物虐待を防ぎ、動物を愛護しながら人と共生する社会を作っていくことを目的としたものです。人は、動物をただかわいがるだけでなく正しい知識を持って飼養することで、動物が人へ危害を加えたり、周辺への迷惑を防止したりすることにもつながるのです。人と動物が共生する社会を実現するためには、次のような基準が定められています。飼い主の責任や危険な動物に対する飼養規制、ペットショップが守るべきルールなどです。また、行政の取り組み事項として動物愛護週間(毎年9月20~26日)で行事をおこなったり、動物愛護に関する普及啓発活動を実施したりしています。このように、動物の習性などを考慮して適切に取り扱い、人と動物が幸せに暮らしていくための規定がたくさんあるのです。

2019年に成立した改正動物愛護管理法とは

2019年6月、「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、段階的に施行されています。改正の目的は、「動物取扱業のさらなる適正化」、
「動物の不適切な取扱いへの対応の強化」です。人は動物を正しい知識のもと、適切な取り扱いをしなければなりません。改正された内容は主に以下のとおりです。
・飼養・保管等の基準
・第一種動物取扱業による適正飼養の強化
・動物取扱責任者の要件の充実
・周辺環境の保全に関する措置の拡充
・特定動物(危険動物)に関する規制の強化
・所有者不明の犬猫の引取り拒否
・動物愛護管理センターの業務の規定
・マイクロチップの装着の義務化
・虐待の罰則強化
それぞれの項目に分けてわかりやすく解説していきます。

飼養・保管等の基準について


動物は、家庭動物・展示動物・実験動物・産業動物に分類されます。それぞれの基準は以下の通りです。
”家庭動物 家庭や学校などで飼われている動物「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」
展示動物 展示やふれあいのために飼われている動物(動物園、ふれあい施設、ペットショップ、ブリーダー、動物プロダクションなど)「展示動物の飼養及び保管に関する基準」
実験動物 科学的目的のために研究施設などで飼われている動物「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」
産業動物 牛や鶏など産業利用のために飼われている動物「産業動物の飼養及び保管に関する基準」”
(引用元:環境省 改正動物愛護管理法の概要
改正後は、各動物の所有者もしくは占有者がそれぞれにおける基準を遵守しなければならないことを明確化しています。

第一種動物取扱業による適正飼養の強化について


2021年6月1日より、幼齢の犬猫に対して販売日齢を規制することになりました。これを8週齢規制といい、8週齢(生後56日)を経過しない犬猫の販売を禁止する規定です。これまでは7週齢(生後49日)規制にとどまっていたものから1週間延長されました。子犬・子猫は生後56日までを母親やきょうだいと過ごすことで「社会化」が養われ、成長後の問題行動が少なくなります。また、ある程度の免疫力を高めてから生まれた環境を離れると、感染症のリスクも減らせます。今回の改正における特例措置として、天然記念物指定犬(秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・北海道県・四国犬)は「7週齢(生後49日)」となっています。

動物取扱責任者の要件の充実について


動物取扱責任者は動物を扱うプロとして、より適正な取り扱いが求められており、十分な技術的能力や専門的な知識・経験を持っていなければなりません。たとえば獣医師免許や愛玩動物看護師免許を取得していたり、営もうとする動物取扱業に関する実務経験が常用で半年以上あったりなどです。このように、動物取扱責任者の要件を厳しくすることにより、動物取扱業の全般的な底上げと一部の悪質な業者の排除を目的としています。

周辺環境の保全に関する措置の拡充について


不適切な飼養により周辺の環境が損なわれる場合は、行政が指導や助言、立入検査ができるようになりました。周辺の環境が損なわれる事態とは、多頭飼育による臭い、鳴き声、毛などの飛散、糞尿、ネズミや昆虫の発生などを指します。また、多頭飼育による動物の栄養失調や体表の汚れなどは、周辺の保全への影響だけでなく動物虐待にもつながります。これらを未然に防ぎ、飼い主が適切な環境で飼育できるよう、助言や指導をおこなわなければならないのです。

特定動物(危険動物)に関する規制の強化について


人に危害を加える恐れのある動物とその交雑種(特定動物)は、2020年6月1日から愛玩目的で飼うことが禁止になりました。動物園や研究施設など、特別な目的があり特定動物を飼う場合は、都道府県知事または政令指定都市の長の許可を取らなければなりません。動物の種類や飼養施設などを細かく申告する必要があります。また、飼育方法や保管方法に基準を設けています。たとえば飼養施設は一定の基準を満たした構造でなければならなかったり、第三者と接触しないような措置をとったりなどです。基準が守られていないことが判明したら、許可は取り消され場合によっては罰則もあります。

所有者不明の犬猫の引取り拒否について


都道府県は、所有者不明の犬猫の引き取りを求められた場合は、基本的に引き取らなければなりません。ただし、周辺の生活環境が損なわれる可能性がないと判断できるときは、所有者不明の犬猫の引取りを拒否できるようになりました。法改正された理由は、行政が安易に犬猫を引き取ることで殺処分が増加する可能性を懸念し、動物愛護の観点から望ましくないという考えがあるからです。ちなみに「周辺の生活環境が損なわれる可能性」とは、犬猫の鳴き声や悪臭の発生、毛の飛散、犬猫に起因する昆虫の発生などを指します。

動物愛護管理センターの業務の規定について


動物愛護管理センターの業務は、以下の通りです。
一 第一種動物取扱業の登録、第二種動物取扱業の届出並びに第一種動物取扱業及び第二種動物取扱業の監督に関すること。
二 動物の飼養又は保管をする者に対する指導、助言、勧告、命令、報告の徴収及び立入検査に関すること。
三 特定動物の飼養又は保管の許可及び監督に関すること。
四 犬及び猫の引取り、譲渡し等に関すること。
五 動物の愛護及び管理に関する広報その他の啓発活動を行うこと。
六 その他動物の愛護及び適正な飼養のために必要な業務を行うこと。
(引用元:動物の愛護及び管理に関する法律
動物愛護管理センターは、上記の業務をしっかりとおこない、役割を果たすことが明記されています。動物を取り扱う人全員への指導や助言、管理だけでなく、広く世の中に動物愛護に関する啓発活動をおこなうことで、動物に関する正しい知識を身につけてもらう役割もあります。

マイクロチップの装着の義務化について


2022年6月から、犬猫販売業者へのマイクロチップの装着と情報登録が義務化されます。犬猫販売業者以外については、装着は努力義務です。マイクロチップを装着した犬猫を譲り受けた人は、登録を変更しなければなりません。したがって一般の飼い主は、ブリーダーやペットショップから犬猫を購入したり、購入せずとも譲り受けた犬猫にマイクロチップが装着されていたりする場合は、必ず登録を変更しましょう。登録の変更に関しても義務化されますので、忘れないようにおこなってください。

虐待の罰則強化について


これまでは、動物をみだりに殺傷した場合の罰則は2年以下の懲役または200万円以下の罰金でしたが、2020年6月より改正され、5年以下の懲役または500万円以下の罰金になりました。動物虐待や遺棄をした場合の罰則も、100万円以下の罰金だけだったものから1年以下の懲役が追加され、厳罰化されています。このように、数字が上昇して明確な罰則強化になったことで、動物虐待に対する抑止効果が上がったといえるでしょう。

一般の犬猫の飼い主が知っておくべき改正点

ここでは、犬猫の一般の飼い主が知っておくべき改正点について解説します。

犬猫へのマイクロチップ装着の義務化


最初に犬猫をペットショップやブリーダーから買った場合、飼い主がマイクロチップの登録変更手続きをする必要があり、2022年6月から義務化されます。犬猫販売業者ではない人から譲り受けた場合は「努力義務」ですが、可能であればマイクロチップの装着を推奨します。脱走や迷子、災害時にはぐれたときなどにマイクロチップの情報が役立つからです。また、マイクロチップ義務化により、飼い主の身元が明確になるため、安易に動物を捨てるなどの行為が減ることも期待できます。

動物虐待の厳罰化


動物虐待に関する罰則が厳罰化されています。動物虐待は暴力や外傷をともなう行為だけでなく、きちんと食事を与えなかったり病気を放置したりすることも含まれます。動物は人が世話をしないと生きていけません。飼い主がどのような状況にあってもかならず面倒をみなければならず、飼い主の都合で放置すればすべて虐待に値する可能性があります。

適正に飼養できない場合は繁殖防止すること


犬猫の所有者は、動物をみだりに繁殖させてはいけません。適正な飼養が困難だと判断したら、不妊去勢手術などをおこない、繁殖を防止しましょう。以前は努力義務でしたが、義務化へ改正となりました。

出生後56日以内の犬猫は買えない


犬猫は生後56日(8週齢)まで母親やきょうだいと共に生活すると、成長後の問題行動の予防や免疫力を高めることがわかっています。流通過程での感染症を減少させたり、問題行動の減少により捨てられる犬猫が減ったりすることが期待できるため、非常に重要な法改正です。ペット先進国のドイツやアメリカと同じ基準にまで引き上げられました。ただし、天然記念物指定犬(秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・北海道県・四国犬)はこの改正法の適用対象外で、「7週齢(生後49日)」となっています。

改正法を踏まえ、犬の飼い主が生活の中で心がけるべきこと

飼い主は、改正法を踏まえて犬への接し方を考え直すことで、改めるべき点が見つかるかもしれません。ここでは、犬の飼い主が生活の中で心がけるべき点を4つ解説します。

災害に備える


災害に備えて、ペットの安全についても普段から考えておく必要があります。水や食料以外にも、常備薬なども用意したり避難所や避難ルートを確認したりしておきましょう。また、いざというときに落ち着いて行動できるよう、日頃からクレートやケージに慣れさせておくことも大切です。避難所等においては自治体の指示に従い、ほかの避難者に迷惑をかけないよう配慮しましょう。特に動物が苦手だったり、アレルギーがあったりする人がいますので気を付ける必要があります。自宅から離れることはペットにとっても大きなストレスになりますので、ペットに合わせた準備が重要です。普段からペットの基本的なしつけや健康管理をしながら、色々な環境に慣らしておくことが災害時の備えになります。

犬の健康を維持するための食事と運動


犬の健康を維持するために、時間があるときはドッグランに連れて行き、必要な運動量をしっかり確保してあげましょう。普段の散歩は運動というより社会化の勉強やストレス発散、リフレッシュに効果的です。散歩は心の健康を保つためにも重要ですので毎日欠かさず行ってください。食事は犬種や大きさ、年齢などによって種類と量が変わります。犬が太りすぎないよう定期的に体重測定をして、健康管理をしましょう。

基本的なしつけをおこなう


犬にきちんとしつけをおこなうことは、周辺の生活環境の保全にもつながります。無駄吠えをさせない、呼び戻しができるなどのしつけは、どんな場面でも役に立ちます。ペットホテルや病院、災害時などいつもの環境ではない場所でも飼い主の言うことを聞けるよう、しつけていきましょう。そのためには普段から色々な場所に連れて行き、周囲の音や空気に慣れさせておくこともしつけの一環になります。

終生飼養が基本


動物は終生飼養が基本です。犬を受け入れる前に最期まで飼えるかどうかを考えてください。犬に限らず動物の命は、私たち人間と同じく尊いものです。愛犬の命が尽きるまで愛情をもって接することが飼い主としての責任です。やむを得ない事情で犬を手放さなければならなくなったら、犬にとって最適な環境で安全に暮らせる譲渡先を見つけてください。都道府県などに引き取りを求めても、正当な理由がなければ引き取り拒否される可能性があることも理解しておきましょう。

最新の動物愛護管理法を知り、動物を適切に飼おう

改正動物愛護管理法の概要や飼い主が知るべき点などを解説しました。人は、動物を守りながら共生していかなければなりません。一般の飼い主も改正動物愛護管理法の内容を理解し、動物が適切な環境で快適に過ごせるよう、配慮しましょう。また、地域住民の誰もが動物愛護精神を持てるよう、SNSなどで発信できる人は積極的におこなってみてください。

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