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捨て犬保護の現実は?命を救うためにできること

2021/10/20

犬を飼ったものの、世話が大変などという理由で、捨ててしまう人が多くいるようです。そういう境遇に置かれた犬は、残念ながら殺処分の対象になることが少なくありません。しかし、動物の命は人間同様、決して軽んじられてはいけないものです。そのためには、捨て犬を保護し、彼らが生きるためにふさわしい環境を整える活動が求められます。今回は、捨て犬の保護活動の種類や犬達を守るために必要なことをご紹介します。

捨て犬の多くは、その後どうなるの?

捨て犬の多くは、その後どうなるの?

捨て犬は保健所に収容されて殺処分の対象になってしまう

所在が分からない捨て犬が発見された場合、保健所(動物愛護センター)に収容されることが大半だと言われています。しかし、保健所も捨て犬を長期間保護したら数だけが増え、餌代のコストがかさむとともに、里親を探す手間もかかってしまうため、殺処分が実施されるケースが多いのです。 殺処分の期間は法律で定められているわけではないですが、捨て犬が収容されたら、約1週間程度で殺処分を行う場合もあります。殺処分の方法は残酷なもので、主に炭酸ガスによる窒息死が採用されており、犬にとって大きな苦痛を伴うものです。 現に、環境省が発表したデータによると、2019年度の犬の殺処分数は5,600頭を超えているという結果が出ています。【※2020年度の犬の殺処分数は4,059頭と減少してきています】

保護施設で保護されることも多い

捨て犬のたどり着く先は保健所だけではなく、民間の保護施設というケースもあります。最近は保護施設が増えてきており、保健所などから殺処分されるはずだった捨て犬を保護しています。また、保健所が多くの保護施設と連携し、殺処分の数を減らす努力をしている自治体も出てきました。そのうえで、必要な食事や医療を与えるという身体的ケアや人に慣れるためのトレーニングなどの精神的ケアを行うのです。
心身ともに健康になった犬に関しては、愛情を受けながら幸せに過ごせるように、新たな里親を探し譲渡する活動に力を入れます。また、障害があるなどで里親が見つからない、保護した捨て犬に対して、施設で最期まで看取るというシステムを取り入れているケースもめずらしくありません。

捨て犬の飼い主になるための流れ

捨て犬の飼い主になるための流れ

里親募集をしている保護施設や譲渡センターを探す

保護施設は全国にあり、譲渡会などを行っています。施設を決めるときは、自宅から近い場所を選ぶと良いでしょう。なぜなら、犬を引き取って自宅に連れて帰る際に、余分なストレスをかけずに済むからです。 また、捨て犬を預かる保護施設は、他に譲渡センターをいくつか持っている場合もあるので、通いやすい場所を選ぶのもいいでしょう。保護施設の特徴はさまざまなので、施設の方針などに共感できるところに決めるのをおすすめします。 ピースワンコ・ジャパンでは保護犬の譲渡を、広島県の本拠地をはじめ大阪や東京などの譲渡センターで行っており、現在全国に8か所に施設があります。自宅近くに譲渡センターがない場合でも、スタッフが提案した保護犬とオンラインでお見合いをし、その後対面できる仕組みがあります。

申し込みして訪問する

気になる保護施設や譲渡センターが見つかったら、申し込みをしたうえで予約日に訪問しましょう。その際に、「どのような犬を希望するか(年齢・大きさ・性格など)」をスタッフに伝えたうえで、マッチングする犬を探してもらうことがベストです。

また、譲渡してもらいたい犬の希望を伝える以外にも大切なことがあります。それは、訪問した保護施設がどのような工夫をしながら捨て犬を飼養しているのか、部屋はそうじが行き届いているか、犬たちの表情やしぐさはどうかという点などを観察することです。このような面もしっかり見ておくと、保護犬を大切に扱っているかどうかも理解することができるでしょう。

保護施設で大事にケアされていた捨て犬は、里親として飼い主が自宅に迎えてからも、育てやすいことが多いものです。そのときの感情だけではなく、犬とともに生活する未来のことまでを考えることが必要になります。

里親登録をし、相性の良い犬と出会う

飼いたい犬が見つかったら、里親希望の申込書を提出します。その際は、免許証などの身分証明書が必要になる場合が多いので、事前に用意しておきましょう。 その後、里親希望者の家庭環境や飼育環境などを基準に審査が行われ、問題がない場合は誓約書にサインをしたうえで、犬を譲渡してもらうことが可能です。施設によっては、家庭訪問をし、受け入れまでの詳細を確認したり、トライアル期間を里親に設けたりして、希望の犬と過ごして行けそうかどうかの判断をするケースもあります。

日本の犬の殺処分ゼロを目指すピースワンコ・ジャパンでは、里親として犬を迎えるための費用が3万~5万円程度かかります。 この費用は、里親に引き取られるまでの養育費や避妊去勢手術費などの一部が含まれています。

ペットは飼えなくても他にできることはある?

ペットは飼えなくても他にできることはある?

保護施設に寄付をして、犬の健やかな成長を支える

家庭環境や個人的な理由などで、保護犬をペットとして飼えない方もいるでしょうが、里親になることだけが支援ではありません。実際に捨て犬の保護施設を運営していくには、食費や医療費、スタッフの人件費、施設維持費などの費用が必要です。そのため、1頭あたり、1年で約36万円以上がかかるとも言われています。
保護施設は、主に運営者の私費や助成金、寄付などから成り立っており、決して楽に運営ができているわけではないのです。しかし、一人ひとりが少額でも寄付を行えばいずれ大きな金額となり、保護犬をより幸せに飼養することができます。
ピースワンコ・ジャパンの活動の財源も、主に寄付によるものです。月1,000円からの寄付やふるさと納税を通しての寄付、物資(ペットシーツ、リードなど)の寄付など、個人が取り組みやすいシステムを導入しています。

施設のボランティアを通して犬を愛する

寄付が無理な人でも、捨て犬のためにできることは他にもあります。多くの保護施設では犬の部屋のそうじや散歩などを手伝ってくれるボランティアを募集しています。ボランティア活動は、簡単な作業ばかりではありません。しかし、ペットを飼っているのと近い環境を味わえますし、保護犬と触れ合うことで、豊かな気持ちになれることでしょう。
一方、保護施設によっては、自宅での預かりボランティアを募っているところもあります。ずっとは犬を飼えないけれど、数日や数ヶ月など期間限定であれば世話ができるという方は、このような方法を選ぶことも可能です。
また、ボランティアは自分の都合の良い日時で活動ができますので、負担なく始められます。

捨て犬のためにできることから始めよう

捨て犬のためにできることから始めよう

保護施設などの懸命な努力により、殺処分される予定だった捨て犬たちが保護され、命をつないでいます。しかし、保護施設の力のみでは限界があるのは事実です。一人ひとりが捨て犬の現状を知り、自分ができる活動を積み重ねて行くことが大切だと言えるでしょう。

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EDITOR

ピースワンコ・ジャパン編集部
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