2021年11月1日

保護犬を飼うには?3つのメリットや具体的な譲渡方法を解説

「保護犬を飼うにはどうしたらいいの?」「保護犬を飼ってみたいけど不安」など保護犬を迎えたいけれど、飼い方や条件が分からない人は多いのではないでしょうか。

この記事では、保護犬を飼うメリットや保護犬を飼うための条件や方法、費用などを詳しく解説していきます。
保護犬を飼いたい方は、最後までチェックしてみてください。

家族との出会いを待っているワンコがいます

「保護犬を飼ってみたい」と考えている人は60%以上

保護犬とは、飼い主が飼えなくなった、迷子になったといったさまざまな事情で動物愛護センターや保健所などに保護されている犬のことです。
近年は保護犬という言葉が浸透し、保護犬を飼ってみたいと前向きな気持ちを持っている人が増えてきています。

ある「保護犬についての意識調査」では、保護犬を飼ってみたいですかの問いに対して60.2%の人が飼ってみたいと回答。
全体の5%の人が、既に保護犬を飼っていると答えています。

つまり、新しく犬を飼うなら保護犬を選択したいと思っている人が、2人に1人以上いるのです。
保護犬を飼うことは珍しいことではなく、新たな家族として保護犬を迎えたいと考えている人が増えています。

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保護犬を飼う3つのメリット

「保護犬を迎えるとどのようないいことがあるの?」と疑問に感じている人は多いのではないでしょうか。

まずは、保護犬を飼うメリットを詳しく解説していきます。
保護犬ならではのメリットがあるので、ぜひチェックしてみてください。

子犬期を終えた犬を迎えられる

保護犬はペットショップのように子犬が少なく、圧倒的に成犬が多いです。
赤ちゃんから育てないとなついてもらえないと心配する人もいるかもしれません。

しかし、成犬になってからでも信頼関係を構築することができます。
子犬はかわいらしい見た目をしていますが、人間の赤ちゃんと同じように、根気よくしつけをする必要があります。

また、子犬と成犬では見た目が変化する犬種が多く、大きくなったときに「想像以上に大きくなってしまった」と違和感を感じることも。

一方で、成犬は落ち着きがあり、子犬のように四六時中お世話をしなければならないわけではないので、とても飼いやすいです。
見た目が変化しにくいのはもちろん、性格も定まってきています。

譲渡のときにどのような子なのか説明してもらえば、自分に合っているのか判断しやすいです。

犬の命を1頭救える

飼い主が見つからない保護犬は、殺処分される可能性があります。
飼い主が見つかれば楽しい毎日を送り継続できた命が、断ち切られることになるのです。

環境省が公表している「犬・猫の引取り及び処分の状況」を見てみると、2019年4月1日から2020年3月31日までの間に5,635匹の犬が殺処分されています。
殺処分数は年々減少していますが、まだまだ殺処分されてしまう犬がいるのが現状です。

保護犬を迎えることは、殺処分の可能性があった犬の命を救うことになります。
新しい家庭に迎えられ愛情に包まれて暮らすことで、保護犬の表情がどんどん明るくなっていくことも多いです。

保護犬が幸せになっていく過程を見守ることは、飼い主としてとてもうれしいこと。
命の尊さや大切さを感じられるのは、保護犬を迎えるからこそ学べることでしょう。

避妊去勢手術を済ませている犬が多い

保護犬は、保護団体や動物愛護センターの判断で避妊去勢手術を済ませていることが多いです。
これは施設内での繫殖やマーキングを防ぐのはもちろんのこと、譲渡後の繫殖も防ぐためです。

また、避妊や去勢手術は初回発情前を目安に行うため、保護犬の成長に合わせて譲渡前に実施しているケースもあります。
避妊や去勢手術は2万円から4万5,000円程度が相場です。

また、避妊や去勢手術をするには動物病院に行き検査や入院をしなければならないこともあるので、飼い主の手間がかかります。
譲渡前に避妊や去勢手術が終わっていれば、飼い始めてからの手間やコストの削減ができるでしょう。

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保護犬を飼うための条件は?

保護犬を飼う条件は譲渡センターや市区町村によって異なりますが、主な例として下記のような条件があります。

  • 終生飼養ができること
  • 保護犬が寿命を迎えるまで、責任を持ち飼えることを指します。
    住宅環境や年収、将来的的な年齢を考慮して、終生飼養が可能か判断することがあります。
    賃貸住宅の場合は、保護犬が成長しても飼育ができることを賃貸契約などで確認することが多いです。

  • 一緒に住む家族全員が保護犬を迎えることに賛成していること
  • 家族の一員として一緒に暮らすためには、生活を共にする家族全員の同意が必要です。

  • 年に1回の狂犬病の予防接種を受けること
  • 避妊去勢手術が済んでいない場合は早期に実施すること
  • 飼い主が20歳以上であること

この他にも、場合によっては室内飼いができることやしつけ教室に参加できるなどの条件が加わることがあります。
事前に譲渡を希望するセンターや施設、市町村の規約を読み、条件に該当するか確認してみましょう。

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譲渡にかかる費用は方法によって異なる

保護犬の譲渡を受けるときにかかる費用は、無料~5万円程度が相場です。
譲渡費用は、都道府県や各自治体が運営している動物愛護センターと保護団体により大きく異なります。

都道府県や各自治体が運営している動物愛護センターは、無料~10,000円以内であることがほとんどです。
畜犬登録料やマイクロチップ挿入費用などの事務手数料のみ実費で、医療費や検査費が請求されることはありません。

一方で、保護団体は保護犬のワクチン接種代や譲渡までにかかった医療費、検査費を合計し譲渡をするときに医療費として請求されることがあります。
そのため、数万円単位の譲渡費用がかかることも。

多くの保護団体では医療履歴や検査結果を提示し譲渡時にかかる費用を明確にしているので、費用に納得したうえで譲渡が行われています。
不明な費用がある場合は事前に質問をして、納得の上譲渡してもらうようにしてください。

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保護犬を飼うための2つの方法

保護犬を飼う条件や費用が分かったところで、保護犬の譲渡を受けるにはどうしたらいいのか気になりますよね。
保護犬の譲渡を受けるには、主に2つの方法があります。

それぞれどのような方法なのか、詳しく解説していきます。

里親募集のチラシやサイトを見る

1つ目の方法は、里親募集のチラシやサイトで飼い主募集を探すことです。
都道府県や各自治体が運営している動物愛護センターや保護団体は、ホームページ上で保護犬の写真を公開し飼い主を募集していることがあります。

まずは、住まいの地域の動物愛護センターや気になる保護団体のホームページを見て、保護犬を探してみましょう。
気になる保護犬が見つかったら譲渡条件を確認して、保護犬の飼い主になる申し込みをします。
申し込み後には折り返し連絡が来るので、実際に保護犬と対面をする日を決めていきます。

保護犬との対面場所は動物愛護センターなどの施設内や全国各地にある譲渡スポットを利用することが多いです。
保護犬に対面し双方の同意が取れたら、保護犬を飼うための審査へと進みます。
審査方法は動物愛護センターや保護団体により大きく異なりますが、事前に家庭訪問をして保護犬が飼える状態なのか把握したり、個別面談をして飼い主に適しているのか判断したりします。

無事に審査を通過できたら飼い主になるための講習を受け書面を交わすことで、正式に保護犬の飼い主になれます。
このように、ホームページやチラシで気になる保護犬を見つけたからとって、すぐに飼えるわけではありません。
いいなと感じる保護犬を見つけたら、まずは対面できる手配をすることが大切です。

また、チラシやインターネットでの譲渡の場合は稀に個人的な募集のことがあるので、費用や条件でトラブルとならないよう譲渡元も把握してみてください。

譲渡会に参加する

2つ目の方法は、譲渡会に参加することです。
譲渡会とは実際に複数の保護犬と対面しながら性格などの情報も聞いたうえで、自分に合う保護犬を見つける会のこと。
市町村や保護団体が実施している譲渡会があり、市町村の場合は毎月決められた曜日と時間に実施されていることが多いです。

市町村の譲渡会の場合は、譲渡会前までに譲渡前講習会や個別面談を設けていることがあります。
事前講習会や面談がクリアできていないと譲渡会に参加できないので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

譲渡会では気になる保護犬を見つけ、保護犬との相性をチェックし飼い主に向いているかの判断をします。
保護団体によっては飼い主になる前にトライアル期間を設けていることがあり、気になった保護犬と10日~2週間ほど一緒に過ごせる場合が。
トライアル期間中に保護犬の性格や飼い主との相性をじっくりと確認できるため、納得のいく譲渡が受けられます。

トライアル期間を経て問題がなかった場合は、正式な飼い主となる申請ができます。
譲渡会に参加するとすぐに保護犬に出会えるため、自分に合う保護犬を見つけやすいところがメリットです。

ただし、譲渡会により条件が大きく異なるため、事前にしっかりとチェックしてみてください。

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保護犬の飼い主になるための3つの準備

保護犬を飼うと決まったときに、どのような準備が必要でしょうか。
ここでは、保護犬の飼い主になるためにしておきたい3つの準備をご紹介します。

あらかじめ準備をしておくことで、保護犬を受け入れる体制が整えられるため、ぜひ参考にしてください。

生活に必要な犬用品を用意する

保護犬を飼うには、必要最低限の犬用品を準備しておく必要があります。
保護犬が快適に暮らすために必要な犬用品としては、下記のようなものがあります。
この犬用品は保護犬を迎えるまでに、揃えていくといいでしょう。

  • ゲージまたはサークル
  • 犬は自分だけの空間があると落ち着くため、あらかじめ用意しておきます。

  • フードやおかし
  • 保護犬の年齢や体質によって最適なものが異なるため、譲渡を受ける前に聞いておくと安心です。

  • トイレシート
  • 犬種や体型に合うトイレシートを用意します。

  • 首輪とリード
  • お出かけ時の必須アイテムです。保護犬の引き取り時に持っていく必要があることも多いので、あらかじめ用意しておきましょう。

  • 食器
  • おもちゃ
  • グルーミング用品

この他にも、床がフローリングの場合は犬種によっては滑りやすく、膝蓋骨脱臼などのケガにつながる可能性があります。
譲渡時にスタッフと相談をしながら、必要に応じて滑り止めマットを用意しましょう。 

飼育のためのしつけや育て方に関する知識を養う

保護犬を飼うには、犬のしつけや育て方に関する知識が必要です。
譲渡前に講習会を行っている動物愛護センターや保護団体は多いため、基本的な飼い方やしつけ方法を身につけるようにしましょう。
不安が残る場合は、譲渡前にスタッフに質問をしたりしつけの本などを読んだりすることで、知識を養えます。

保護犬は今までの経験によって人が苦手、お散歩が苦手など性格が異なります。
性格を踏まえたうえで少しずつ慣らしていくと、心を開いてくれるでしょう。

保護犬のしつけや育て方で迷った場合には動物愛護センターや保護団体が相談に乗ってくれるので、まずは愛情を持ち楽しく暮らせるように心がけてみてください。

近くの動物病院を把握しておく

保護犬が体調不良になった場合に慌てないために、事前に近くの動物病院を把握しておきましょう。
リサーチして見つけた動物病院が、保護犬のかかりつけ医となります。

何かあったときにすぐに受診できるよう、アクセス方法や診療内容、受診時間を知っておくと安心です。
とくに、急なケガや病気のときにすぐに通える距離かどうかを確認しておくことが大切です。

最近は動物病院でトリミングやしつけ相談をしていることもあります。
保護犬のトータルケアを視野に入れて動物病院を探しておくのも一つの方法。

保護犬とのライフスタイルに合う動物病院を探しておくことで、安心して一緒に暮らせるようになるでしょう。

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ピースワンコ・ジャパンでは随時譲渡会を実施しています

ピースワンコ・ジャパンでは、保護犬の譲渡会を随時実施しています。
ピースワンコ・ジャパンならではのメリットは、次の3つです。

  • ①日本全国に8つある譲渡センターごとの譲渡犬が見れる
  • ピースワンコ・ジャパンは広島や湘南、東京など全国に8つの譲渡センターを設置。
    譲渡センターごとに譲渡可能な保護犬をホームページで公開しており、住まいの地域にどのような保護犬がいるのかすぐに確認することができます。

    気になる保護犬が見つかった場合はアンケートフォームに必要事項を記入し送信してもらうと、追って連絡がきます。

  • ②オンライン譲渡会を実施
  • 不定期ではありますが、オンラインでの譲渡会を実施。
    なかなか譲渡センターに足を運べない場合でも、どのような保護犬がいるのか詳しく解説していきます。

    リアルタイムでの質問も受け入れており、保護犬に関する疑問や悩みを解決できます。

  • ③ヒアリングをしながら保護犬を探すことが可能
  • 自分に合う保護犬が見つからない場合はヒアリングをしながら、ピッタリな保護犬を探すことができます。
    希望の保護犬が見つからない場合でも、お気軽にお問い合わせください。

ピースワンコ・ジャパンでは殺処分ゼロを目指して、保護犬の新しい家族を探す活動に力を入れています。
保護犬を飼ってみたいと考えている人は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。

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新しい家族として保護犬を迎えよう

保護犬を飼うことで、殺処分される可能性があった大切な命を救うことができます。
保護犬を飼うためには飼い主としての条件を満たすことが大前提ですが、事前の講習やサポートが手厚く初めて犬を飼う人でも安心して飼える環境が整っています。
成犬が多いので、しつけやお世話がしやすいところも大きな魅力でしょう。

ピースワンコ・ジャパンでもオンラインや各譲渡センターで随時譲渡会を実施しているので、保護犬を飼いたいと思ったら一度チェックしてみてください。

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