犬の避妊去勢手術について

ピースワンコ・ジャパンでは、2021年8月現在、避妊去勢手術に適さない(幼犬、病犬、老犬、障害犬)以外のほぼ全てのワンコの避妊去勢手術を済ませています また現在、ピースワンコに新たに引き出される犬に対しても毎月手術を継続しています。 手術前の犬は雌雄で部屋を分けることなどによる繁殖制限をしています。

避妊去勢については、動物保護団体の中でも多くの議論があり、獣医師や飼い主さんにも様々な考え方があります。

避妊去勢手術とは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。

避妊手術とは、メスの卵巣と子宮を切除する手術のことです。中には卵巣のみを切除して子宮を残す獣医さんもいますが、両方切除するのが一般的です。手術時間は、消毒などの時間を除いても、30分から1時間ほどかかります。大型犬は手術時間が少し長くなります。病院によって異なりますが、1泊入院となるケースが多いようです。 去勢手術とは、オスの精巣を切除する手術のことです。避妊手術と異なり、お腹を切る手術ではないため、日帰りとなるケースも多いようです。

避妊去勢手術の費用はどのくらいでしょうか。

手術にかかる費用は、病院や犬の体格によって異なり、一般的には大型犬の方が費用がかかります。おおよそ「避妊」は4~5万円前後、「去勢」は2~3万円前後で、それとは別に、検査費用・薬代・麻酔代・入院費などがかかってくることがあります。

避妊去勢手術のメリットとデメリットは。それぞれ次のようなことが考えられます。

●手術のメリット

・予期せぬ妊娠を防ぐ 発情中のメスは特有のフェロモンを発します。オスがそれに反応すると交尾が行われます。このため、発情中に他の犬と出会う可能性があるお散歩は、特に気をつける必要があります。突発的に妊娠してしまうことがあるからです。 また、オスとメスとの多頭飼育の場合、繁殖を望まなければ、手術を受けさせるかよく考える必要があります。

・病気の予防 メスの場合、主に「卵巣腫瘍」や「子宮蓄膿症」、「乳腺腫瘍」などの病気を予防することができ、オスの場合、主に「精巣腫瘍」や「前立腺肥大」、「肛門周囲膿症」などの病気を予防することができます。ただし、これらの病気に将来必ずかかるわけではないので、今病気ではないのに、体の負担を考えてあえて手術を受けさせたくないという意見もあると思います。

・威嚇行動などが抑制される(ストレス等の軽減) 手術をすると発情することがなくなるので、ストレスが軽減され、発情によって引き起こされる威嚇行動(吠え、噛みつきなど)や「マーキング行為」などを抑制する効果が期待できます。 ただし、手術することで性格が変わるわけではないので、性格上このような行動をとっているケースでは改善されない場合もあります。

●手術のデメリット

・子どもがつくれなくなる 生涯において、繁殖させることができなくなります。 将来どうしたいのかをしっかりと考えておく必要がありますね。

・肥満になりやすくなる 避妊去勢は卵巣や精巣を取り除くので、ホルモンの分泌が減りホルモンバランスが変わります。これにより基礎代謝が減少したり、食欲が増して肥満になったりする傾向があります。手術前よりも食事の際のカロリーなどに気を付けてあげる必要があります。

・お金がかかる 上記の通り、病院や犬の体格にもよりますが、一般的に2万円~5万円+αの費用がかかります。

・麻酔のリスク 手術は、全身麻酔をかけて行われます。術後に気管のチューブを外した際、特に短頭種と呼ばれる犬種は呼吸困難に陥る恐れがあります。また術後に合併症を起こし、最悪の場合、死に至るケースもあります。

最後に

私たち人間にとってもとても怖く不安になる手術、犬にとっても全く同じです。 避妊去勢手術は、生物として本来もつ機能を人為的に取り除く行為でもあります。 1番大切なことは、家族である犬が安心して暮らせること、です。
手術をするかどうかは、犬の性格、年齢、病気の有無にもよるでしょうし、里親になりたいと考えている、あるいは既に里親になった方にもそれぞれ考え方があると思います。

まずはご家族で納得がいくまで話し合ってみてはいかがでしょうか?
ピースワンコでは、犬と一緒に暮らすライフスタイルが素晴らしいものになるようにサポートします。不安に思われる点については、里親様と一緒に考えていきます。どうぞお気軽にご相談ください。

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。