2022年7月4日

【譲渡活動】ボロボロだった「うさぎ」卒業の舞台裏

 


昨年の夏、身体中に排泄物がこびりついて毛玉だらけでボロボロになりながら、2頭の乳飲み子を必死で守っていた母犬を保護しました。「うさぎ」と名付けられた母犬は獣医師も言葉につまるほど酷い状態でしたが、うさちゃんと呼ばれて多くの人に支えられながら、今年1月、広島譲渡センターから卒業していきました。そこに至るまでのスタッフの想いと舞台裏をご紹介します。

 

 


神石高原シェルターから里親募集のために広島譲渡センターへやってきた「うさぎ」は、明るい性格で散歩も食べることも大好き。人懐っこいですが、ちょっと怖がりなところがあり、お留守番も苦手。担当スタッフの小松は、「うさぎ」との距離をゆっくり縮めながら、卒業後にワンコも人もお互いに幸せになれる譲渡先を慎重に探しました。

 


小松は、小学校のパソコン授業の時に、ペットショップで売れ残ったワンコはどうなるんだろう?と調べて「殺処分」ということが行われていることを知り「全員助けたい!」と思うようになりました。高校の頃、ペットショップで売れ残った犬を家族に迎え、犬との暮らしがスタート。卒業後その子とドッグランに行った際、ピースワンコのチラシを見て「自分ができなかったことをしている人がいる。ここに自分も行くしかないない!」と思い、就職先を退社して専門学校に入学、ドッグトレーニングを2年間学んだ後、ピースワンコに入職しました。

 

 

小松はこう語ります。“ピースワンコの保護犬たちは「人」という存在事態が怖い子が多いです。でもどんなワンコも幸せの可能性と希望を持っているので、みんな幸せになって欲しい。仲良くなっていくきっかけのつかみ方も、その子その子によって違うので難しいですが、日々のお世話の中でこういう風に接したら距離を縮めやすいんじゃないかというところを発見しながら、里親様にお伝えできたらと思っています。

 


卒業の日にいつも思うのは、やはり最後まで可愛がって愛してもらえるかなということ。犬と人は生きている種類が違うので、言葉も通じないし、犬が伝えたいことも私たちが読み取れているのは一部だと思います。意思疎通のツールが限られている中で「いうことを聞かない!」と思う時もあると思いますが、そういう時でも愛情もって接してもらえるかなと、すごい考えます”

 

 


“ワンコも里親様もお互いに幸せじゃないと意味がないんですよね。保護犬と向き合っていただける家族の元へ送り出したいので、卒業して終わりじゃなくて、卒業後もいろいろとお話しさせてもらいながら、どうやって接したらいいかなどしっかりサポートをしていきたいと思っています”
「うさぎ」卒業までの舞台裏とスタッフ小松の物語、ぜひ動画からご覧ください。

 



 

 

 

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