2022年8月1日

【保護活動】高齢でも病気があっても、毎日を楽しく!

犬と暮らしているみなさんは、愛犬の介護で大変だったご経験はありますでしょうか?
ピースワンコの神石高原シェルターには、歳を取って介護が必要になった保護犬や、保護した時から病気で薬や点滴をしなければいけない子がたくさんいます。中には、若いけれど病気になって介護が必要になってしまうワンコもいます。今日はそんなワンコたちや介護のことを紹介したいと思います。

介護が必要なシニア犬のお世話で大変なのは、ごはんを食べさせることです。
神石高原シェルターには、寝たきりの子やご飯を噛めない子、介助がないと自力では食べられない子がいます。そんな子たちにはご飯のあげ方の工夫をしています。
例えば、フードをミキサーにかけてペースト状にしたり、ペースト状になったフードを大きなシリンジに入れてワンコの口の中に少しずつ流しいれたり、スプーンで食べさせてあげたりしています。一気に食べさせてしまうと気道に入ってしまう可能性があるので、ゆっくり少しずつ食べさせてあげます。簡単そうに見えますが、これが意外と難しい…。

薬を毎日、数種類飲んでる子もいます。
そのまま食べてくれる子もいれば、なかなか飲んでくれない子もいます。人が口の中に入れてあげてようやく飲んでくれる子、薬を粉々にしてフードに混ぜると食べてくれる子、歳をとっても美味しいものには目がなくて美味しいチュールなどに混ぜてあげると薬と気づかずに食べてくれる食いしん坊な子。色んな子がいるので、薬を一つ飲ませるだけでも工夫が必要です。

お世話しているワンコの中に、推定3歳の「ナギ」という子がいます。その子は食道の一部が何らかの原因で広がって食道の筋肉が動かなくなり、食べたものを胃に運べずに嘔吐してしまう「巨大食道病」という疾患を抱えています。固形物が食べられないので、スタッフはフードをミキサーにかけてペース状にしたものを用意し、フードが食道から胃にちゃんと運ばれるように、前肢をもって立たせた状態にして食べさせています。一気に食べると消化しきれずに嘔吐する回数が増えてしまうので、出来る限り少量づつ食べるように注意しています。
>

食後も嘔吐しないように食道と胃がまっすぐになる姿勢を維持しなければならないので、犬用リュックキャリーに入れてスタッフが1時間くらい背負っています。「ナギ」はおんぶされたまま寝てしまうことも多く、可愛い一面を見せてくれます。病気があってもそれを感じさせないくらい元気な「ナギ」は、スタッフのお家にお泊りしたりするのも大好き。ときどき神石高原シェルターの受付で看板犬も務めてくれます。

犬たちはハンデがあっても、そんなことは気にしません。犬たちは全力で毎日を楽しく生きているだけなのです!目が見えなくても鼻を使って楽しんだり、後ろ足の力が弱くても車椅子に乗って外を満喫したり、その子その子に合わせたいろんな楽しみ方をしています。今を全力で楽しく生きる犬たちって素晴らしいですね!

高齢でも病気があっても、家族が出来たワンコもたくさんいます。心臓が悪い子、目が見えない子、下半身不随で車いすに乗る子など、その子の全てを受け入れて家族に迎えてくれる里親様ができたとき、お世話してきたスタッフにとって感動の瞬間です!

神石高原シェルターにはとても大きなドッグランがあります。保護犬たちはそこでのびのび走り回ったりボール遊びをしたりしながら、生き生きと暮らしています。若い保護犬は人に馴れていなくて人を怖がる子が多いですが、優しくお世話をしていると少しずつ心を開いてくれます。心を開いてくれると、お世話している人にしか見せない可愛い表情や仕草をしてくれます。それがまた一段と可愛い!おじいちゃん犬やおばあちゃん犬は、日向ぼっこをしたりゆっくり外を歩いたり、思い思いにのんびり楽しみながら暮らしています。

みなさんのワンコは毎日どんな楽しみがありますか?
どんなに若いワンコもいずれ必ず歳をとり、介護が必要になってくると思います。そんなときにほんのすこーし、この記事を参考にしてもらえたら嬉しいです!

 

 

▼ たくさんのワンコ達が出会いを待っています。
~ 里親募集ページはこちらから ~

 

▼ふるさと納税からのご支援をお願いいたします。

 

 

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    目次スイートホームちゃことはな犬のいない散歩なんてコキア色のちゃこはなのお迎え愛すべきギャップ「なんなんだ?」といえる愛 スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。 2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家 […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    目次ひとりからみんなで犬のぬいぐるみと一緒に犬たちにできること東海で最大の取り組みを「静岡のワンコたちも救う」苦労も超えるオープンに向けて ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    目次春雷と愛犬音響トレーニング雷の轟音をやり過ごす方法雨宿りの思い出ずぶ濡れでなぜ悪い犬と暮らせば勇気だって湧いてくる 春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠 […]
  • 卒業4000頭目!「ごーちゃん」卒業!

    2023年10月29日、ピースワンコでは記念すべき卒業4000頭目のワンコ「ごーちゃん」が、岡山譲渡センターから里親様の元へ卒業していきました! 2023年3月14日に保護された「ごーちゃん」は、当時、推定1歳くらいの野 […]
  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。