2021年8月1日

犬の低血糖で注意したいこと|症状や予防法、治療方法を知っておこう

犬の病気にはいろいろありますが、低血糖症は比較的どの犬にも発症する可能性が高い病気です。
犬種によって子犬時代に発症したり、成犬になって発症したりといった違いがありますが、どの場合も飼い主が気をつけていれば対処可能です。

今回は犬の低血糖症の原因や応急処置、治療方法や予防法を解説します。
ぜひ参考にしてください。

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犬が低血糖になったらどのような症状がある?

低血糖とは、血液中のブドウ糖の量を表す血糖値が極度に低下した状態のことです。
低血糖による症状は、活動性が低下することがまず挙げられます。

ぐったりし、元気がなくなるといった症状が見られたら、まず低血糖を疑ってみましょう。
散歩に連れ出そうとしてもあまり喜ばなくなります。

さらに後ろ足部分の麻痺やけいれん発作、嘔吐、失禁、震え、下痢などの症状が起こる場合もあります。
脈拍が早くなったり体温が低くなることも低血糖の症状。脈拍や体温を測って確認することも可能です。

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犬が低血糖になる原因

犬が低血糖になる原因

低血糖を患う原因は犬の年齢や犬種によっても異なります。
ここでは子犬、成犬、老犬、および疾患を持っている犬、それぞれの原因と疾患が出やすい犬種について見ていきましょう。

また年齢に関係なく、キシリトールを摂取することで低血糖になることがあります。
キシリトールは低カロリーの甘味料です。
人間の糖尿病患者などに利用されますが、犬には危険なので与えないようにしてください。

子犬の場合

生後3ヶ月程度の子犬が低血糖になる例がたびたび見られます。
特にチワワやトイプードルなど小型犬の子犬に多い傾向です。

子犬は肝臓の糖を貯蔵する機能が不十分であることが原因です。
空腹や体の冷えなどによって生じやすいので、食事を小分けにして与えたり、室温に注意するなどの方法で予防できます。

まれに重度の感染症、先天性の肝臓の病気が原因となる場合もあるため、低血糖が続く場合は獣医師に相談してみましょう。

成犬の場合

成犬の低血糖症はゴールデンレトリバーや5歳以上の大型犬に多く見られます。
原因は、副腎皮質機能低下症によるホルモンバランスの崩れ、肝臓または膵臓の腫瘍などです。

低血糖症が起きた場合は、動物病院に連れて行き、具体的な原因を突き止めることが重要です。

老犬の場合

老犬には、低血糖の症状が現れることがしばしば見られます。
元気がない、散歩の時に腰がふらつくなどを老化現象だと判断してしまいがちですが、低血糖症の可能性があります。

老犬の場合、インスリノーマなどの腫瘍ができているかもしれません。また空腹で激しい運動をすると低血糖になることもあります。

疾患をもっている犬の場合

糖尿病を患っている犬は、治療のためインスリンを投与しますが、過剰なインスリンによって低血糖症になることがあります。
その場合は、インスリンの量が適切ではないと考えられます。

体重の増減でインスリンの量が変わるので獣医師に相談し、適切な量のインスリンを投与するようにしてください。

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犬が低血糖になった際の応急処置

犬が低血糖になった際の応急処置

低血糖の発作が起きた場合、そのままにしておくと死亡する可能性もあります。
そのため、直ちに応急処置をしましょう。

応急処置はガムシロップ、砂糖水、ブドウ糖といった糖分を与えることです。
砂糖水の作り方は砂糖と水の割合を1:4で混ぜるだけです。
無理に飲ませようとすると、気管に入るかもしれないので、注意しながら少量ずつ与えます。

けいれん発作が起きているときは、歯茎にこすりつけるようにしてください。
その場合は砂糖水を濃いめに作っておきましょう。

応急処置で症状が変わらないときはもちろん、改善したときもすぐに動物病院に連れて行き、獣医師に相談してください。

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犬の低血糖の治療方法

犬の低血糖の治療方法

応急処置で症状が落ち着いたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
感染症などの疾患による低血糖かどうかの確認をするためです。

子犬はほとんどの場合、空腹や冷えが原因であることが多いので食事の改良などで治療を行います。

応急処置で改善しない場合は、動物病院で点滴、または注射でグルコースを補います。
成犬の場合は低血糖の原因となっている疾患の治療をします。

獣医師と相談しながら、最適な方法を見つけてください。

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犬が低血糖にならないための予防策

犬が低血糖にならないための予防策

犬の低血糖症は飼い主が日頃気をつけていると、予防できる可能性が高い疾患です。
できるだけ一緒に遊ぶ時間を作るなどして、ちょっとした変化に気づくようにしましょう。

早期に発見し軽度な症状で対応できるよう心がけてください。
食事の回数を増やしたり、おやつの時間を設けたりして空腹にならないようにしましょう。

また寒いと無駄にエネルギーを使ってしまいます。
室温の調整に気を配るなどの対策を行ってください。

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犬の低血糖は早めの処置が大切

犬の低血糖は早めの処置が大切

犬の低血糖についてご紹介しました。
犬の年齢や犬種によって低血糖症になる可能性がありますが、日常的に気をつけていれば早期発見で対応は可能です。

何らかの症状が出たらすぐに獣医師に相談しましょう。
犬の低血糖だけではなく、人間の低血糖もさまざまな問題の原因となります。

ピースワンコでは犬の優れた嗅覚を活かして、呼気から人間の低血糖状態を嗅ぎ分け、アラートを行う低血糖アラート犬の育成に取り組んでいます。

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