2015.12.01

お知らせ

あなたのご支援で救える「命」があります~ご支援のお願い~

いつも「ピースワンコ・ジャパン」の活動に温かいご支援をたまわり、誠にありがとうございます。ピースワンコ・ジャパンはこの度、1頭でも多くの命を救い、殺処分ゼロを一日でも早く実現するために、支援者の皆さまにお手紙をお送りいたしました。現場スタッフからのお手紙をホームページ上でもご紹介しますので、ぜひ読んでください。 (※お手紙に同封しました振込用紙は、「ふるさと納税」のお申込みにはご使用いただけませんので、ご注意下さい)

 

私は、犬の飼育スタッフをしております安倍誠と申します。夏にお便りを差し上げた際には、多くの皆さまからご支援と励ましのお言葉をいただき、現場で保護活動に取り組んでいる私たちにとって、とても心強い支えとなりました。

 

「殺処分ゼロ」をめざすピースワンコ・ジャパンは、保護活動を本格化した2012年から2015年10月末までに、497頭を保護し、277頭を新しい飼い主さんに譲渡あるいは元の飼い主さんに返還することができました。これらの活動は、皆さまのご支援で犬たちのフード代や医療費、私たち飼育スタッフの人件費、施設の運営費などを賄っていただいているおかげです。本当にありがとうございます。

 

夏のお手紙で近況をご報告した後も、残念ながら、私たちが活動する現場ではワンコたちの生死の境に立ち会う場面は後を絶ちません。人間がつくった残酷な現実によって、救いたくても救えなかった命があったことを、彼らの生きた証を残すために、この場を借りて報告させていただきます。

 

ピースワンコでは今年8月、動物愛護センターで殺処分寸前だった約30頭の野犬を一度に保護しました。愛護センター内の環境は決して良いとは言えず、感染症(特にパルボウイルス感染症)が蔓延していました。パルボは感染力がきわめて強く、致死率も高い恐ろしい病気です。発症すれば、激しい嘔吐や下痢・血便を繰り返して脱水状態に陥り、抵抗力が弱い場合は死に至ります。必要な検査と治療を施し、感染のリスクがなくなった状態でピースワンコの施設に連れて帰るため、私は獣医師とともに2週間、愛護センターに通い続けました。

 

その初日、すでにパルボを発症し、体力の消耗が激しい状態のワンコが2頭いました。補液や抗生物質による症状の緩和、ウィルスの増殖を抑えるための薬の投与…私たちは出来る限りの処置をしました。真夏でしたが、自分がウィルスを持ち運ばないように使い捨てのカッパを着こんでいたため、毎日汗だくになりました。

 

治療に立ち会いながら、私が特に心がけていたことがあります。それは「温かみのある場所をつくる」ということです。愛護センターに収容され、処分対象の部屋に移されたワンコたちは、これから自分たちが殺されるということを悟ります。それが精神的な負担となり、免疫力が落ち、感染症にかかることもあります。それを防ぐため、私は愛情をこめてワンコたちの世話にあたり、優しく声をかけ、「人間は怖くないんだよ」と伝えることを心がけていました。

 

そして、コンクリートで覆われた愛護センターの無機質な空間を、ワンコたちにとって少しでも居心地よくするため、毛布を敷くことにしました。毛布が一枚あるだけでも、温かみがある場所に変えることができると私は思います。殺処分される犬たちがいる部屋に毛布を敷くことなんか前例がない、とセンターの職員さんには呆れた顔で見られましたが、気にしませんでした。少しでも良い環境をつくることで彼らの免疫力の低下を防ぎたいということしか、頭になかったからです。

 

しかし、残念ながら2頭を連れて帰ることは出来ませんでした。1頭は翌朝、1頭はその翌日に亡くなりました。ほかにもパルボウィルスに一時陽性反応を示したワンコがいましたが、28頭の子たちは何とか生き延び、私たちは2週間後、彼らをピースワンコの施設に移しました。さらなる隔離期間を経て、人馴れ・しつけトレーニングを終え、28頭のうちの5頭はすでに新しい飼い主さんに引き渡すことができました。それでも私は、救いたくても救えなかった2頭のことを忘れられず、もっと愛情を注げたかもしれないと自責の念に駆られることがあります。

 

集団保護から1か月後に愛護センターを訪れた際、殺処分一歩手前の大部屋に一枚の毛布がありました。それを見た時、私は少し感動しました。殺処分をなくすためには、保護団体と行政が同じ方向を見て手を取り合い、変わっていくことが必要だと感じています。今回のことはほんの小さなことかもしれませんが、一歩前進したと感じられた出来事でした。

 

また、収容後に病気に感染し、命を落とすワンコがいなくなるよう、私たちはセンター側に塩素消毒を徹底し、パルボの蔓延を防止するよう訴えました。私たちが殺処分対象だった全頭を保護し、大部屋を一時的に空っぽにした後、センター側は実際に消毒を行い、8月以降、この愛護センターではパルボは発生していません。

 

貴重なお時間を割いてこの手紙を読んでくださり、本当にありがとうございます。全国の殺処分数を考えると、今回保護することができたワンコはごく一部に過ぎません。それでも一歩ずつ、殺処分される犬たちを1頭でも多く救うため、そして日本から殺処分をなくすため、私たちは日々のワンコたちのお世話に真剣に取り組んでまいります。日頃よりご支援いただいている皆さまには重ねてのお願いとなり、大変心苦しいのですが、1頭でも多くの命を救うため、どうかさらなるお力添えを賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 
ピースワンコ・ジャパンスタッフ 安倍 誠
 

~ピースワンコ・ジャパンからのお願い~

動物愛護センターでは年末、休みに入り動物たちの世話ができなくなるため、中にいるワンコたちを一斉に殺処分するケースがあります。ピースワンコ・ジャパンでは、そのようなワンコを1頭でも多く救いたいと思い、昨年は広島県内の愛護センター全施設と神奈川県動物愛護センターから、中にいた計約30頭をすべて保護しました。緊急時に1頭でも多くの命を救うため、現場は今すぐのご支援を必要としています。皆さまのご協力をお願いいたします。

 

~ご支援の方法~
「ふるさと納税」を通したご寄付はこちらからお願いいたします⇒http://peace-winds.org/news/event/8863
・2016年度の税控除は2015年1月~12月のご寄付が対象になり、年内のご入金が必要です。お早めの手続きをよろしくお願いいたします。
◆納付書払、現金納付、口座振替の場合
12月11日(金)までに、PWJにFAX、郵送で申し込み用紙をお送りください。
◆クレジットカード決済の場合
クレジットカード決済は年末まで有効ですが、仮にお手続きでエラーが出た場合、年内のご入金が完了しない可能性がございます。神石高原町役場は年末年始閉庁し、エラーの際には年明けのご連絡になります。確実にお手続きいただくには、お早めの決済をよろしくお願いいたします。
 
月額1000円~の「ワンだふるサポーター」、月額3000円の「ワンだふるファミリー」、銀行振込、郵便振込をご希望の方はこちらからお願いいたします⇒http://wanko.peace-winds.org/donation

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
殺処分ゼロを実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。