2020年7月31日

【車椅子のクラリスの卒業】沢山の方々に支えられ命を繋いできました

 2016年、瀕死の状態で広島県動物愛護センターからピースワンコ に保護されたクラリス。事故のため背骨が折れて半身不随の状態でした。ピースワンコ に来てから手術を受け完治はしませんでしたが、専用車椅子を作ってもらい、これまで4年間穏やかにピースワンコ で過ごしてきました。
障害があり、元野犬で知らない人を見るだけで失禁していたクラリス。この子が卒業できるなど、スタッフ誰一人ピンときていなかったと思います。



ところが7月14日、クラリスは広島から遠く離れた神奈川在住の里親さんのところへ卒業したのです!
先住犬がいるご家庭のKさん。クラリスとの出会いは、ワンダフルファミリーのHPでした。クラリスの障害に目が止まったというより、一目惚れだったそうです。ワンダフルファミリーとして支援をスタート。直接どうしてもクラリスに会いたくなり、冬の積雪を乗り越え、面会に来られました。長い時間世話をしてきたスタッフにしか気を許さないクラリスが、Kさんご一家にはお腹を見せて、もとからの家族のように過ごしていたことに、スタッフ皆が驚きました。



なぜクラリスを引き取ろうと思ったのですか?という質問へのKさんの答えはこうでした。「どうしてクラリスにしたか、保護犬だから引き取ったのではなく、クラリスだから引き取ったんだと思います。“クラリスだから家族になろうと思った”が正解です。可愛いからとしか答えられないです。たまたま、クラリスに障害があった。ただ、それだけです。障害=大変とは思ってないです。障害とは出来ないことがあって、それを手伝うことだと考えていて、手伝う大変さというものはあると思いますが、それが大変かは人によって感じ方が違うという事じゃないかなと思っています。」

息子さんが沢山のクラリスの写真を撮ってくださいました。いつか穏やかなご家族が迎えにきてくれるとクラリスも待っていたのかもしれませんね。



クラリスはこれまでに本当に沢山の方々に支えられ命を繋いできました。
事故に遭ったところを助けて下さった方やセンターのスタッフ、病院へ緊急搬送したスタッフ、カイロプラティックの先生、部屋の隅でただ怯えているだけのクラリスを外へ連れだした当時の担当スタッフ、クラリス専用車椅子を作ってくれたお掃除スタッフ、そしてこれまで応援して下さったワンだふるファミリーの家族の方々。
本当に沢山の方々の支えでここまで来ることができましたが、最後はKさんの決断と行動力がクラリスを幸せに導いて下さったと思います。
障害とは関係なく、全てを受け入れ大切にして下さるご家族に出会えてクラリスは本当に幸せですね。ピースワンコ はこれからもワンコたちが新しい家族と出会って幸せになれるよう、がんばっていきます。

 

【関連記事】
●リチャードの物語.vol1:リチャードとの出会い~検疫犬舎
https://wanko.peace-winds.org/topics/5580

●リチャードの物語.vol2:リチャード、友だちができる?
https://wanko.peace-winds.org/topics/5602

●リチャードの物語.vol3:検疫犬舎からのお便り
https://wanko.peace-winds.org/topics/5612

 

 

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